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 虹のパレット:パワースポットの神様 毎日新聞

毎日新聞 2013年06月03日 地方版

  先日、12年ぶりにハワイへ行ってきました。娘と母と共に。

  昨年はライブとその合間を縫ってアルバムのレコーディング。
曲を作り詞を書き、頭を切り換えてコンサートを終えた翌日は、
またレコーディング、といった状態が何と9カ月以上も続き、
さすがに私の頭も爆発寸前でした。

    疲れ果て、
ボロボロヨレヨレの状態まで頑張った自分にご褒美をということで、
世界の三大パワースポットの一つがあるというハワイ島へ行ってきました。

   暖かい日ざしとさわやかな風。毎日ビーチで昼寝をしたり、
プールで泳いだり、小学生に戻ったような時間を過ごしてきました。
    うーん、幸せ。

   全然知らなかったのですが、パワースポットと呼ばれる場所は、
ホテルの敷地の中の、ビーチに行く時に何気なく通っていた所でした。
そのホテルは何と20代の頃、アルバムを作るたび、
スタッフと充電をするために訪れていた場所だったのです。
(どうりで何となくパワーをもらって帰ってきてたような)

   今回もたくさんのパワーをもらって帰ってきましたが、
私の心を一番動かしたのは、そのパワースポットの横、
ビーチの手前にある水路の中のウツボです。

   私たちの他にも、外国人の家族連れがそこを見に来ています。
透明な水路を、そこに架かっている小さな橋からのぞくと、
元気に泳ぎ回る魚たちと、端っこの石の間から顔をのぞかせる巨大なウツボ。
本気なのか遊びなのか、

時々やる気なさそうに口を開けて魚たちを威嚇します。
魚たちも、食べられるものかと適当にかわしてキラキラと泳ぎ回っています。

   ふと「ウツボって英語で何て言うんだろう?」と
外国人の家族連れに聞くと「イール(eel)」と教えてくれました。

「へぇー。
英語ではウツボもウナギになっちゃうんだあ」とややびっくりしましたが、
このウツボが実はパワースポットの主なんじゃないかと
ひそかに疑っているのです、私。

 ウツボに耳があるのか、言葉を判別できるのか、よくわからないのですが、
ハワイのウツボなので英語の会話はきっと慣れているんでしょう。

外国人たちの会話には興味を示さなかったんですが、
私たちが日本語で「何かでかくて変な形だね……」とわいわい話し出した途端、
あるかないか、わからないような細い目で、
橋の上の私の顔をけげんそうに見上げるのです。
まるで「こいつは何語で話しとるんじゃ?」みたいに。

   数秒間見つめ合って私は何だか気まずくなり、
今度はウツボの後ろの方に回って柵にもたれました。
ウツボの後頭部を見つめ、再び「やっぱりこのウツボ、
話聞いてるんじゃない?」なんて話し出した瞬間、
ウツボが体をよじって水路の上の私をふり向いたのです。
「また、お前か」と言わんばかりに。

   それまで面と向かってウツボに話しかけたことはないので比較はできませんが、
きっとこのウツボはすべてを理解しているパワースポットの神様に
違いないと確信して帰ってきた私です。
本当にそうかな? 気になる。(シンガー・ソングライター)

 

 ■人物略歴

 ◇おかむら・たかこ

 1962年、愛知県岡崎市生まれ。椙山女学園大学在学中に同級生の加藤晴子さんとデュオ「あみん」を結成、デビュー曲「待つわ」は82年のヤマハポピュラーソングコンテストでグランプリに。85年にソロデビュー。87年に発表した「夢をあきらめないで」はロング・セールスを記録した。今年3月にニューアルバム「NORAIN,NORAINBOW」をリリース。今月28日に岐阜県・可児市文化創造センターでコンサートを開く。


      情報に埋もれてしまいそう(*^^)
体調を壊した時期に、孝子さんのキャンペーンが重なり整理がついていない。
まだ去年のCPの模様のDVDも観ていない。

  ウツボを眺めるその現場にいたら、ふたりの素敵な『姉妹』に見えでしょうね(^v^)


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