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虹のパレット:プロモーションの日々の中で



 虹のパレット:プロモーションの日々の中で

                  毎日新聞 2014年11月24日 地方版

 何だか分からないけど、ここのところスケジュールが真っ黒です。家族にまで「初めて仕事らしい仕事してるね」なんてことを言われております。ソロデビューしてからマイペースを貫き通して29年。かたくなにレコーディングスタジオとライブ、娘が生まれてからは、母としての時間も加わったのですが、この度、8年ぶりのセレクションアルバム「After Tone6」をリリースしたため、プロモーションの毎日です。

 アフタートーンは「余韻」という意味の造語です。ソロデビューしてから、オリジナルアルバムを3枚作るごとに1枚セレクションアルバムを作ってきました。このアルバムは、自分がどんな事を考えていたか、何を言いたかったかを振り返り、リセットし、また次のアルバムに向けて再スタートを切るための区切りみたいなものです。

 今回は8年という時間を要しましたが、「あみん」として出した2枚のアルバム「In the prime」「未来へのたすき」、そしてソロ「勇気」「NO RAIN,NO RAINBOW」の中から14曲を選びました。個人的にはアフタートーンシリーズの中で一番の傑作かもしれない!と思ってます。

 「あみん」として20歳でデビューした時には、まさかこんなに長く歌っているとは思わなかったので、これも応援してくれる皆さんや、ずっと一緒に音楽を創り続けてくれたスタッフのおかげ、そんな感謝の気持ちがこのアルバムのテーマになっています。

 そんなことを答えながらプロモーションの日々が続いています。毎日いろいろな人と出会い、新たな自分を発見したり、ラジオのスタジオブースの中、至近距離でコロッケさんの「さださんの声で『待つわ』」を堪能させていただいたり、高田純次さんのトークに仕事を忘れて、お腹(なか)がよじれるくらい笑わせていただいたり……。

 何と「bayfm」(千葉県のFM放送)では、3時間の生放送をやらせていただきました。誰にも手伝ってもらわず、一人きりで話すなんてできるのと自分でも半信半疑(笑)でしたが、ドキドキしながらも、あっという間の3時間、天気予報の原稿まで読んだり、次の番組とのクロストークも初体験しました。楽しかったー。スタジオの外で見守り、パワーを送ってくれたスタッフや目の前に座って導いてくれた構成作家のジョージさんのニコニコした優しいまなざしが心強かったです。

そんなヨレヨレな日々のさなかの束(つか)の間の休日。東京に出て来た甥(おい)っ子が、何と役者を目指していて、初舞台に出させてもらうという事で観劇。忙しい時には、またまたいろんな行事が集まるものですねー。

 織田信長の小姓、六郎役ですごくキラキラ輝いていて、23歳の時にソロデビューするため上京したばかりの自分を思い出しちゃいました。いろいろな事があると思うけど頑張ってほしいなあ。回りのスタッフへの感謝を忘れずにね。

 そして今日もまだまだプロモーション続きます。クリスマスピクニックのリハーサルも始まり出し、頭はパニックのはずなのに不思議。体の中で細胞がプチプチはじける音が聞こえるような……。スタッフとみんなで駆けていく毎日が、とても愛(いと)しくて幸せ。そんな感謝のこもった「After Tone6」をぜひ、聴いてくださいませ。(シンガー・ソングライター)

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 ■人物略歴

 ◇おかむら・たかこ

 1962年、愛知県岡崎市生まれ。椙山女学園大学在学中に同級生の加藤晴子さんとデュオ「あみん」を結成、82年に「待つわ」でデビュー。85年にソロデビュー。87年に発表した「夢をあきらめないで」はロングセールスを記録した。8年ぶりとなるベストセレクションアルバム「After Tone6」を11月19日にリリース。12月8日に名古屋・ダイアモンドホールでコンサートを開く。







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