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虹のパレット:昔の仲間と楽しくレコーディング



虹のパレット:昔の仲間と楽しくレコーディング


                                                                          毎日新聞 2015年08月10日 


 先日、アレンジャー(編曲者)・清水信之さんの35周年記念アルバム「LIFE IS A SONG」に収録される新曲「終わらない歌」のレコーディングに参加してきました。「人生とは1曲の歌である」というコンセプトを基に書き下ろされた曲で、参加アーティストは総勢17人です。

 清水さんとお会いするのは、かれこれ20年ぶり。初めてお会いしたのは、20代最後の頃でしたでしょうか。「Good−Day」という曲をレコーディングした1991年。ドラマの挿入曲が全て私の歌という、2時間スペシャルドラマの主題歌を作った時です。バラードのイメージで作った曲を渡した時、「どんなふうにしてもいいですか?」とイタズラっぽい笑顔を見せた清水さん。数日後、スタジオで「これはダンスミュージックか!?」と思うようなハウスサウンドに変身したその曲を聞いた時、びっくりしたのと同時に「こんなの、やってみたかった!」と心の中でガッツポーズしていました。


 それから5作連続で、私のアルバムの数曲をアレンジしていただき、「ポプラ」「ミストラル」「無敵のキャリア・ガール」……と可愛い“子供たち”を形にしていただきました。こうして振り返ると、たくさん一緒に作ったんですね。清水さんへのお祝いコメントにはほんの一瞬みたいに書いちゃった。ごめんなさい!


 収録の日。懐かしさにわくわくしながらスタジオに入ると、昔と変わらない笑顔(体はすごくスマートになってましたけど……)が待ってました。


 普段はコラボとかしないことにしている私ですが、お話をいただいた時に、「何だか面白そう」と思ってしまいました。そして、長く歌い続けてきた幸せに感謝しつつ、これからは少しずつ恩返ししながら生きたいなという最近の心情と、自分も元気で動けるうちに(?)会える人には、会っておかないとね的な気持ちが交錯しました。


 そう言えば、3年前にたった1度、沖縄でジョイントコンサートしたことがあります。1、2、3部に分かれていたので共演することはなかったのですが、ラストに参加していた杉山清貴さん、中西保志さん、辛島美登里さん、沢田知可子さん、シクラメンさん、地元のミュージシャンの方々と「夢の中へ」を一緒に歌わせていただきました。とても良い思い出になっています。


 話を戻しますが、出来上がったミュージックビデオの映像を見て、一つの歌に何人もの息吹が吹き込まれると、音楽はすごく化学反応を起こすんですねー、としみじみ考えさせられました。自分のパートだけのレコーディングなので、実はどなたともお会いしてないのですけれど。


 清水さん、アレンジャー歴35周年おめでとうございます。大切な記念の新曲に声をかけていただいて、「Best Friends」の一員として参加させていただき、うれしかったです。それも“歌頭”の部分。私でよかったんでしょーか。


 帰り際、「30周年とか、そういう時は声をかけてね」って言ってくださいましたね。実は今年がそうなんです。ツアーの合間をぬって、ゆっくりアルバムを作っていこうと思ってるんですけどね。いつか、マイクを置くその日が来るまで、「物を創るって楽しいねー」と、みんなとほほ笑み交わす瞬間を、そっと重ねていきたいと思った、そんな一曲でした。(シンガー・ソングライター)


 ■人物略歴

 ◇おかむら・たかこ

 1962年愛知県岡崎市生まれ。椙山女学園大学在学中に同級生の加藤晴子さんとデュオ「あみん」を結成し、82年に「待つわ」でデビューした。85年にソロデビュー。87年に発表した「夢をあきらめないで」はロングセールスを記録した。アルバム「After Tone6」を去年11月にリリースした。10月にソロデビュー30周年を迎える。







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