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虹のパレット:数年ぶりに「先輩ママ」と再会

            虹のパレット:数年ぶりに「先輩ママ」と再会
                                                                             毎日新聞 2015年06月01日 地方版

 6月6日に神奈川県伊勢原市から始まる全国ツアー「T’s GARDEN 2015」を控えたある日、突然、「会いたーい」と思い立ち、ご近所さんだった懐かしい“先輩ママ”に数年ぶりに会いに出掛けました。

 今から13年ほど前、ほんの2年半の間、東京郊外に移り住んだことがあります。名字が変わる時に違和感なく溶けこめるように、そしてゆったりとスローライフを楽しみながら伸び伸びと娘を育てられたらいいなと探した、その場所。

 独身の頃から住んでいた都内のマンションを「えいやー」と手離し、庭のついたすてきなお家(うち)をお借りしました。

 扉を開けると、四季折々の草花、スイセンやラベンダー、ミントに彩られた庭に続くリビング。垣根には、ぐるりと時計草が囲み、台所の小窓には可愛いレースのカーテンを飾ったり、スウェーデンハウスの床や木の色がとても優しくて仕事から帰ると疲れた心がとけて、ホッとしたものでした。

 昔懐かしいテレビドラマ「金曜日の妻たちへ」の舞台にもなったこの辺りは、どのお家の庭にもさまざまな花が咲き、駅まで続く(車で15分くらい?)道には春になると、ハナミズキが目にまぶしいほど。週末には近くのホームセンターに母が車を運転してくれてガーデニング用品などを見るのが楽しかったのを覚えています。

 この家で娘は、おじいちゃん、おばあちゃんに買ってもらったランドセルを背負って小学生になり、私も「TEAR DROPS」「Sanctuary」という2枚のアルバムを作りました。

 前置きが長くなりましたが、ここで出会ったのが先輩ママさん。私はどちらかと言うと人見知りな性格で、東京に出てきてから、ずっとマンション暮らしだったので、あまりというか全然、近所付き合いをしたことがありませんでした。そんな私の性格を見抜いてか、何かと声をかけてくれました。娘と同じ学校に通う4歳上のお嬢さんが、入学したての娘と一緒に朝通学してくれたり、夏には「庭で花火をするから来ませんか?」と誘ってくれたり。「いただき物をしたから、おすそ分け」とピンポンを鳴らしてくれたり……。とても楽しい日々でした。

 それまで、いろいろなことを一人で抱え込んで頑張ってきた私ですが、「私、困ってます」と犬がお腹(なか)を見せるように誰かに助けを求めると、手を差し伸べてくれる人がいるんだ。世の中って捨てたもんじゃない!なんて思ったものでした。

2年半後、引っ越しして再び都内に戻ってからも時々、メールをしたり、ランチをしたりしてきました。今回は、とても久しぶりの再会です。たわいない話をして、あっという間に時間は流れていきます。

 今までにたくさん創作活動をしてきましたが、そこで作った「TEAR DROPS」というアルバム以降の私が、とても好きです。若い頃のような夢や恋愛だけではない、日常の要素が歌のテーマになることが増えたり、人生ままならないな……と思う経験もたくさんしたけれど。「生きてるなー」ってすごく感じたあの頃とあの場所。あの日から今日まで歩いてこられました。

 小学生だったお嬢さんたちも今や社会人と大学生になったそうです。美しい景色と、ご近所の温かい人たちを思い出せば、きっとどんな毎日も乗り越えていける、そんな気がします。(シンガー・ソングライター)

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 ■人物略歴

 ◇おかむら・たかこ

 1962年愛知県岡崎市生まれ。椙山女学園大学在学中に同級生の加藤晴子さんとデュオ「あみん」を結成し、82年に「待つわ」でデビューした。85年にソロデビュー。87年に発表した「夢をあきらめないで」はロングセールスを記録した。アルバム「After Tone6」を昨年11月にリリースした。7月11日に江南市民文化会館、同26日に日進市民会館でコンサートを予定。









   孝子さん ♡ 貴女が居れば、

     きっとどんな毎日も乗り越えていける ♡ そんな気がします (^_-)-☆


  


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